ギエム 2007  バレエ・ダンス

 日付が変わってしまいましたが、22日に東京バレエ団公演『シルヴィ・ギエム・オン・ステージ2007』 びわ湖公演を観てきました。ウェブでは招聘元のNBSが掲げるサブタイトル「進化する伝説」は反語か?という批評も目にしましたが、なにを指して進化とするかによるな。たしかに、多くの観客の共感を得られるタイトルではないかも。

 本降りの雨の中、やっとの思いで会場にたどり着くと「バレエ団でのキャスト調整などの理由から、東京バレエ団による『テーマとヴァリエーション』の男性エトワールは高岸直樹に変更」との張り紙が。東京公演で男性ソリストが怪我をしたからですね。しっかり治してね。

 今日の私のお目当てはギエムのオデットと、マリファント&ギエムのコンビネーション。白鳥の湖、湖畔のシーンは至上の古典作品。私はそれを崇拝し、そして大好きなのだ。また、この日ギエムの相手役として舞台に立ったラッセル・マリファントが振り付けた「PUSH」も、2年前にギエム&マッシモ・ムッルで見たのだけれど、これまた気に入ってるのよ。

 終わってみると、ギエムの白鳥はなんだか前座のようだった。端折りすぎ。大好きな古典の極致とて、気持ち作りこむ間もなくいきなりグラン・アダージョの音楽でさーっと幕が開き、コールドがすっかり位置についているとは。ちょっと待って

 というモンクはさておき、座席の位置にもよるのだろうか、今日の東京バレエ団のコールドはよく揃って、よく踊っていたと思うよ。舞台上のダンサーから伝わってくる「今できる最高のパフォーマンスをここに!」という気概が清々しく、観客として嬉しかった。いつもどこかにいる「あちゃ、新入り?」や、「ダイエット頓挫中?」も目につかず。

 グラン・アダージョのあと、いきなり始まるコーダ。4人の白鳥(たぶん小さい方?)はキュートでよく揃ってた。びわ湖の床のせいか?足音に気がつかなかったよ。3人の白鳥(たぶん大きい方?)もよい。東バらしくてね。言い換えれば、よく揃ったアスリートなのだわ。もはやそれは、私が彼らに感じる魅力のひとつ。きびきびした動き、小さく跳んでもそのバネはどうよ。
ピョ〜ンン、高い!(好きだよ!)
しかもよく揃って。
 今日の東バの白鳥は4羽、3羽じゃなくて4人と3人。端折りのせいかな?

《白鳥の湖》キャスト
 オデット:シルヴィ・ギエム
 ジークフリート王子:マッシモ・ムッル
 白鳥たち(ソリスト):
  森志織、村上美香、岸本夏未、河合眞里
  西村真由美、乾友子、田中結子ほか
 

 そしてテーマとヴァリエーション!
 吉岡さんと高岸さんのリードで、実に東バらしいバランシン。ポールドブラが空を切る、宮廷ふうシンフォニックバレエでした。エトワールの支配力、牽引力に心から拍手を。コールドのテクニックは、以前大阪フェスで見たときよりずっとよかったです。上手になってる、と感じて嬉しかったです。

《テーマとヴァリエーション》キャスト
 エトワール:
  吉岡美佳、高岸直樹
 ソリスト:
  乾友子、高木綾、奈良春夏、田中結子
  平野玲、松下裕次、長瀬直義、横内国弘ほか


 「PUSH」は、パートナーが変わると印象も変わって見えました。マリファントとギエムが踊ると、「男」と「女」の身体を見るという意識がどこかへ行ってしまってました。非常に能力の高い身体の、正確無比で無駄のないムーヴメントを観る作品になっていました。特に、冒頭のセクションは滑らかな重心の移動と、重力と戦っているなんてことは微塵も感じさせないリフトに、ひたすら見とれました。

 参考までに覚え書き。パートナーがムッルの時は、ふとしたはずみに彼らの性を思い出すときがありました。筋力とか身体のラインではなく、彼らの間に見える「気」にそういうのが垣間見えるというか。ストーリーや叙情表現がなくても、身体表現に言葉や情感を見たと思うことがあるのです。

《PUSHU》覚え書き
 1.垂直方向のリフト、闇に黄色っぽいスポット
 2.平行、水平方向の動き、全体に明るい
 3.緊張、対峙、オレンジ色のスポット
 4.複合、下手真横からのライト、窓枠のような長い影

 きちんとした感想は、後日「FIESTA!」にアップします。
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