踊るマエストロ  演奏会

 もう日付が変わってしまいました。昨日(24日)は、兵庫県芸術文化センター管弦楽団特別演奏会
井上道義のベートーヴェン第3回(土曜公演)
に行ってきました。大ホール、15時開演。

■プログラム
 三重協奏曲 ハ長調 作品56
  ヴァイオリン:藍川 理映子
  チェロ:ソーレン・ビーチ
  ピアノ:徳永 雄紀
 交響曲第7番 イ長調 作品92
 交響曲第8番 ヘ長調 作品93

 指 揮:井上 道義
 管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団
 スペシャル・ゲスト・プレイヤー:
     アンサンブル・ウィーン=ベルリン
    (フルートのシュルツさんは来日せず)

 オーケストラ・アンサンブル金沢の音楽監督であり、昨年末には「日露友好ショスタコーヴィチ交響曲全曲演奏プロジェクト2007」を指揮された井上道義さんが芸文センター管弦楽団にやってきた! 2008年5月、毎週末にベートーヴェン作品を演奏するコンサートです。交響曲第1番から順に取り上げ、トリ(第4回、5月30&31日)は第九ではなく「ミサ・ソレムニス」。そして、今日はアンサンブル・ウィーン=ベルリンの4人が客演。もう、管楽器パートがすごいのなんのって。
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インバル マーラー歌曲集  CD・レコード

 ヨルマ・ヒュンニネンのCDを探しているうち、試聴して「これだっ♪」と思った1枚。即買い。オスカル・メリカントの歌曲集(過去記事)につづき、伸びやかで向日性の、それでいてクールなヒュンニネンの歌唱が聴けて満足ナリ。

@Tower.jp
 


 マーラー:歌曲集
 子供の不思議な角笛

  ベルンド・ヴァイクル(Br)
  イリス・フェルミリオン(S)
   1996年、コンツェルトハウス(ウィーン)
 さすらう若人の歌
  ヨルマ・ヒンニネン(Br)
   1992年、コンツェルトハウス(ウィーン)
 指揮:エリアフ・インバル
 管弦楽:ウィーン交響楽団

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 マーラー:歌曲集
  「子供の不思議な角笛」
  「さすらう若人の歌」


 「さすらう若人の歌」は、恋人が他の男の花嫁になってしまい、傷心の旅に出た青年の心情描写。彼はふと気落ちすることもあり、突如として炸裂する金管とともに叫びもする。でもヒュンニネンの歌には、どうしようもない暗さや壊れた感じはもちろん、「若いからいいんじゃないの」と見守りたくなるような、やんちゃぶりも感じられないのよ。第1曲から立ち直りを確信させてくれる頼もしさ。ちょっと高音がしんどそうだけれども、この若者像はいいなあと思う。

 インバル指揮ウィーン交響楽団の管弦楽は、この若者の旅路に爽やかな光景を用意し、安らぎと恢復に導く。思うに、管弦楽の伴奏と対峙したとき、ソリストは自ずと遠くへ向かって、きっぱりと歌うことになるのだろうか。次回取り上げる予定の、テノールの「さすらう若人の歌」はピアノ伴奏。この演奏とは全く違う若者像とさすらいの風景が感じられた、これも大好きな1枚。

 さて、こちらのカップリングは「子供の不思議な角笛」13曲(「原初の光」つき)。バリトンのヴァイクルのドイツ語は、私のプレイヤーだと少し聴き取りにくい。
第1曲「歩哨の夜の歌」冒頭、
“Ich kann und mag nicht frälich sein!”
…な、何かしらんが「ワワワ…」と始まったぞ?という感じ。バレエでいうならキャラクテール、ちょっと個性的な語り手 − 優しい青鬼さん?! − による角笛なのだと思う。ソプラノのフェルミリオンは、最初聴いたときにメゾソプラノではと思ったほど低く感じられる。低いのではなくて、ひそやかだけれど強い声なのだと気づく。女声による角笛集は、ベッドタイム・ストーリーを語る慈母の声で歌われるのだな。

 演奏順は、死や別離、愛惜を歌った作品が冒頭から8曲目まで続く(2曲目にお気楽なボンボンが歌うかわいらしい憧れ「この歌をひねり出したのは誰」がある)。この演奏は、管弦楽、歌手とも過剰におどろおどろしくなることなく、子供が怖がらない程度に不思議な角笛世界なんである。

 9曲目に「原初の光」がソプラノで歌われ、そのあとはからかいやアイロニーを散りばめた4曲が続く。ほんとうは怖い角笛ファンタジーかもしれないが、ひとまず
「おしまい」〜 〜 と本を閉じる。
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