雨の週末覚え書き  読書

 雨の週末につき、たまった録画(オペラ)と図書館の本がほぼクリアできました。

 今日5月18日(月)の夜9時半からウェブラジオでシューベルティアーデ2008の歌曲コンサートの録音を聞くことができます。毎週番組表を更新してくださるokaka1968さんのブログ1号館にて、情報をいただきました。

5/18 (Mon) 21:30-23:00
 Musiq3

ユリアーネ・バンセ(ソプラノ)
アンゲリカ・キルヒシュラーガー(メゾソプラノ)
イアン・ボストリッジ(テノール)
クリストファー・モルトマン(バリトン)
ヘルムート・ドイチェ、
ジュリアス・ドレイク(ピアノ)

 ブラームス:愛の歌Op.52、
 四重唱曲Op.92、Op.54、
 新・愛の歌Op.65
(2008/9/4 アンゲリカ・カウフマン・ザール)

 オー、ボストリッジ、恋のバトルを歌うのね。ソット・ヴォーチェだけではないところを聴かせたまえ♪

今日観たオペラ
利口な女狐の物語
 ヤナーチェク
 デニス・ラッセル・デーヴィス指揮
 アンドレ・エンゲル 演出
 2008年10月 パリオペラ座

 後半40分ほどを観ました。全部録画できなかったのが悔やまれます。なんて素敵な舞台でしょう。すらりとして若々しく、ちょっとコケティッシュな女狐ビストロウシカはエレナ・ツァラゴワ(ソプラノ)。そして雄狐はハナ・エステル・ミヌティルロ(メゾだよね)、これまで見たズボン役の中で、彼女は1番だ♪ 2人のデュオは、女性たちが裏声も高らかに歌う俗謡を思い出しました。

 ハイビジョン映像で見ても遜色のない衣装、小道具、それから出演者たちのメイク(色がきれい!)。メルヘンチックで愛らしい動物たちの衣装はファッションセンスのポイントも高い。おフランスの動物は、着ぐるみでは満足しないわね。オペラに出演するならばと、自前の衣装を調達するべくブティックへ行ったのでしょう。

 モラヴィアの広野、そこに積もる雪、一面のひまわり畑、街道に沿って立つ電柱、広い空…すべてがすっきりと、澄んだ色づかいでまとめられていました。


死者の家から
 ヤナーチェク
 マーラー室内管弦楽団
 ピエール・ブーレーズ 指揮
 パトリス・シェロー演出
 2007年7月 プロバンス大劇場

 原作はドストエフスキーの「死の家の記録」。
 なかなかの見ごたえ。オペラは夢の国でなくっちゃ、と思っていたけれど、この映像にはなにか強い吸引力を感じました。耳の奥まで届いて私を揺さぶってくる音楽に抵抗を感じることもなく、囚人たちが語る言葉の字幕を一新に読んで2時間弱。舞台美術、演出もよかった。すごい〜〜。

読み終わった本
人を殺すとはどういうことか
 長期LB級刑務所・殺人犯の告白
 美達大和 新潮社

 高い知能によって、いったんは成功者となった筆者が、独善的な論理によって殺人を犯した経緯。そして検事の論告、弁護人やプロの刑務官との対話によってそれに気づき、罪の重さに苦しみ、つぐないを模索してきた記録。

 中盤は服役した刑務所で出会った重犯、長期刑の殺人犯たちの観察記録。このあたりは、塀の中の懲りない面々を内側からレポートしたという感じ。問題提起でもある。

 筆者は、後悔すれども罪はもはやつぐないきれるものではないと知っている。刑期は無期。仮釈放は望まず、一生刑務所で過ごせればいいという。社会的に透明になって天寿を全うすることがつぐないだと? それはもったいない、と私は思う。弱者を助けるために働きたいという若いころからの志を果たすべく、その並外れているらしい能力を、社会に出て発揮すればどうかねえ。

優雅なハリネズミ
 ミュリエル・バルベリ
 河村真紀子 訳
 早川書房

 著者バルベリは、日本びいきが高じて、近年京都住まいを実現させたというフランス人の哲学の先生。

 貧しい農民出身のため、自らの知性をひた隠しに生きる高級アパルトマンの管理人(未亡人)ルネと、アパルトマンの住人の娘パロマ(世界のくだらなさに幻滅している自殺志望の天才少女)。そこへ入居してきた日本人の男やもめオヅ。

 ルネの猫はレオン、オヅ氏の猫は2匹いて、キティとレーヴィン。

 ルネの命の水は芸術。

 パロマは2人と出会い、ほかの誰かを助けよう、そうすればさだめに負けず生きていける、と思い至る。

 最後は読んでいて涙、涙。

 それにしても、読んでいて笑ってしまう描写が、カサコソとさりげなく散りばめられているお話であった。

 オズ氏の部屋のトイレは水洗ボタンを押すと、水の流れる音はせず、モーツァルトの《レクイエム》から〈呪われた者〉がきこえ渡るんである。即座に「悪趣味ぃ〜」と思ったが…あのメロディー、のっけの
♪・・・・・ ♪・・・・・
を思い浮かべると…

…くるくる回る水と…

!なるほどーっ!
と、膝を打ってしまうのであるよ。
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マリア・グリンベルク  CD・レコード

 今宵、モーツァルト党帰宅開口一番
「いちばんええ季節になったなあ」

…む? なんかサクランボが飛んでる気がする。

 やれやれ誕生日。美しい5月に生まれたことに感謝。多少やさぐれだども。桜のように、毎年花が咲き、新緑が青葉に変わるころ、かわいらしい実が色づくならいいのになあ。

で、2月ごろからおりにふれて聴き続けている
マリア・グリンベルクの
ベートーヴェン ピアノソナタ全集

 



 リヒテル、グールド、アラウ、グルダ。御大の弾くベートーヴェンをいくつか聴いてきたけれど、今はグリンベルクがいちばんしっくりくる。

 まずは、ベートーヴェンだからと身構えて聴いているコチコチ頭の自分に気づく。それから、清新ないくつもの歌に、まるで初めて気づいたかのように嬉しくなる。今までなに聴いてたんだ?

 たぶん今の私が、青(春)から朱(夏)にかけては遠くを見ながらぽ〜っと…を旨としているから、ベートーヴェンのソナタをそんなふうに感じるのだろうと思う。
?年中そんなふうかな?

 シャカリキになって鑑賞せず、たいていスピーカーに背を向けて聴く。頭の中は雑念で満たされているのだけれど、あるときふと、これまでとは違うイメージがぽかっと浮かぶように、メロディーや和声やひとつひとつのタッチに感応することがある。

 「熱情」の第2楽章は、教会の聖堂に響くコーラスのようだ。有名どころのたいそうありがたい聖歌隊ではなく、小さな町の教会合唱隊。
…感じたことを言葉にしようとすると、たちまちバカバカしい繰り言になってしまいそうな、自分だけが覚えていればいい幸せ、そんな味わい。

 んなこと言ってると身も蓋もないので、なんとか 覚え書き 思いつきの断片を、飛び散らないように捉まえて行きたいとも思う。

 連休明けからはずっと、11番から15番にかけて聴いている。
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