シューベルト 即興曲集  CD・レコード

 1ヵ月ぶりに両親の家へ行った。今日は風がおさまって暖かい。家までの道すがら、爺さんたちが家の玄関先にのんびり腰掛けてボソボソ話をしていたり、犬が陽ざしを避けて木陰で昼寝をしていたり。

 母は夏に手術をした。経過は順調。でも動作が何かと不自由なので、父は大好きだった旅行ができなくなり、退屈しきっている。まあ、姉さん女房だからね。若い頃から、半年もすると旅の空が恋しくなる父を、母はずっと、おおらかに容認してきた。今となってはよくわからんが、そういうとき母は、もしかして子どもの私に当たり散らしていたんではないかという気が…しないでもない。

 そういう私も、好きなことをさせてもらった。まだ二十歳そこそこの私が、休みになると北海道に行ってばかりいるのを父が咎めたときには、「あんたも昔、生まれたばかりのこの子と私を置いて1ヵ月も北海道をほっつき歩いとった」と一蹴してくれたもんである。

 んで今日は家事手伝いもそこそこに、古ぼけた応接間にこもってシュナーベルのLPを探し回りました。中学1年生の夏、初めて与えられたロマン派のピアノ作品、シューベルトの即興曲集であります。当時の私は長い時間をかけてこの作品142の3を仕上げ、続いて作品90の2を楽しみ、その直後にピアノのレッスンを止めてしまいました。

 あまり楽しい思い出がなかったピアノのレッスンの終わりに、この様々な歌にあふれ、へたっぴいでもそれなりに音楽を奏でる喜びを味わうことができる美しい作品を与えられたことを、今でも感謝しています。いいレッスンをしたなあと、私も先生も感じていて、終わりよければすべてよし、でした。

 その先生がモーツァルトやシューベルトを弾くときに参考にしなさいと勧めてくださったシュナーベルのレコードが…あったはずだが見あたらない。出てきたのはライナーノートだけ。本体はいずこに? デタラメな荷造りをして引っ越しを繰り返した報いだなあ、orz。

クリックすると元のサイズで表示します



 アルトゥール・シュナーベル、19世紀オーストリア生まれのピアニスト。アルトゥール爺の演奏は、子どもの私にはちょっとよそよそしかった…ように思います。「そんなにとっととやってしまわないで、もっと歌ってよー」と。

 また、分厚い和音や怒濤の上行、下降が目眩く作品142の3では、部分的にではありますが、旋律の際立ちがよくないとか、低音部が喧しすぎるとか、えらそうに不満を言ってたような覚えがあります。そのように思えたのは、あまり調整されていない機械で聴いていたせいではないかと。

 …てな思い出話でお茶を濁してないで、次の帰省のときには真面目に探そう、シュナーベルのレコード。アルトゥール爺が奏でる、「整然たる形式美と纏綿たる情感の渾然融合」(←古いライナーノートって、おもしろいー)、私もソロソロわかるかもしれないやんね。

 写真は件のライナーノートと、帰りに衝動買いしたシューベルトの弦楽四重奏曲「死と乙女、ロザムンデ」(ウィーン弦楽四重奏団)のジャケット。即興曲142の3の主題は、歌劇ロザムンデからカンタービレの旋律を借用したもの。弦楽四重奏曲第13番イ短調(Op.29-1)は、2楽章にこの主題が使われています。
0



トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ

2008/2/26  12:46

 



シューベルト 即興曲集 シュナーベル


先日、新聞を読んだら、前の職場の上司が来年度からシャチョウになることが報じられていた。
現社長はわりと最近に就任していたので、ちょっとオドロキだった。
最近ではあまりいないタイプの、武闘派である。まあ、今も昔 




AutoPage最新お知らせ