佐渡裕「コジ・ファン・トゥッテ」2014兵庫芸文センター  演奏会

6月のノイズム「カルメン」に続き、7月、仕事いそがしくてボロボロまっただ中でも行く。モーツァルトだもの、コジ〜だもの、主要キャスト陣はアメリカ組だもの

観たのは、このキャストの最終日。
あたりだったよ。

てか、オーケストラの演奏を聴いただけで、モーツァルトの甘味料に自分がとろけていくのがわかる。幸せ。

フィリップス@フィオルディリージ、どっしりした優等生。
ドラベッラ役のピケス・エディさんは、美人で若々しく、身も心も軽薄な妹娘を体現。デスピーナ役のペトロヴァは、これまで見たどの歌手より庶民的。すでに結婚と別れを経験し、いくつになっても自分をかわいらしく見せることができるしたたかな姐さんふう。歌、レチタティーヴォとも、小気味いい。女性三役の喜劇的な場面をリードしてました。

喜劇的な…といえば、男性三役は、女性陣よりも〜っとがんばってました。
ゲネプロでダブルキャスト両方とも鑑賞した人の話だと、アメリカ組のほうが、オペラ・ブファらしかったということです。

男声については、やっぱりバリトンがかっこいいなと思う反面、劇場の4階なんていう遠くで聴くと、高音が勝ってしまうのか、録音、録画を聴くときほど4声のバランスは取れてなかったです。ソプラノのひとり勝ちが残念でした。

テノールはフェルランド役のシェルトンさん。演技はサービス満点でしたが、1幕のラストなど、派手な見せ場で、まさかの地声…いやその一歩手前? と、はらはらしてしまうところがあり、フィオルデリージを陥落させる場面が終わると、会場から「チャド、ブラボー」と、静かなお声がかかりました。

それでもなんでも、オーケストラから歌手、コーラス、舞台装置(私好みの写実的でシンプルな)、総合力で楽しませていただきました。
次のモーツァルトは、いつかな〜
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9月のメモ  演奏会

 始めと終わりで大違いの9月、今日は肌寒い雨の1日でした。

 小さくなった我が家には、大学生がひとりずつ帰省しては、また帰っていきました。夏休みといえど家には居つかないものとて、世間が猛暑だ党首選だ外交がなんだと言ってる間に、北海道やら隣の大国だのから葉書や電話や写メールよこす、9月なり。そろそろ後期だと。

 今月は2年ぶりに、ピアノ四重奏団:アンサンブル・ラロの演奏を聴きました。神戸でも演奏会はあるのですが、私も小旅行してみたかったのです。夕方の新快速に乗って大津へ。夜公演なので、晩ごはんはホール近くの湖岸に並ぶ「なぎさのテラス」(イタリアン、無農薬野菜レストラン、 玄米菜食レストラン、カフェレストランの4店舗)のワンプレート料理にしました。湖岸の建物や遊覧船の灯を見ながらの静かな食事、私は満足しましたけれども、お店は、もっと宵っぱりさんが繰り出してくれることを待っているようでした。

室内楽への招待 第3回
沼尻竜典オペラセレクション
『トリスタンとイゾルデ』関連企画
アンサンブル・ラロ

日時:2010年9月24日(金)19時開演
会場:びわ湖ホール 小ホール
出演:アンサンブル・ラロ(ピアノ四重奏団)
   ダイアナ・ケトラー(ピアノ)
   アレクサンダー・シトコヴェツキー(ヴァイオリン)
   ラズヴァン・ポポヴィッチ(ヴィオラ)   
   ヘーデンボルク・直樹(チェロ)

   瀧村依里(ヴァイオリン)
   中村公俊(ヴィオラ)
   金子鈴太郎(チェロ)
   丹藤亜希子(ソプラノ)

◆プログラム◆
 リスト:ワーグナーの墓に(ピアノ五重奏版)

 ワーグナー(リスト編曲)
  『トリスタンとイゾルデ』 より
   “イゾルデの愛の死”(ピアノ版)

 ワーグナー(レオポルト編曲)
  『ヴェーゼンドンクの5つの詩』(弦楽六重奏版)

  休憩

 シューマン:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 op.47


 プログラムのテーマについては、あまり深く考えずに臨んだのですが、これは10月のびわ湖ホールのオペラに関連した企画でした。3日間のレクチャーつき企画の最終日、初日に公開リハーサルした「ヴェーゼンドンクの5つの詩」の仕上がりが、前半の聴きどころだったらしいです。

 アンサンブル・ラロは3日間の出演につき、レクチャーのないこの日は、開演直後にマイクを持って登場したヘーデンボルクさんも、簡単なコメントのみ。

 あっという間に終わった「ワーグナーの墓に」からヴェーゼンドンクまで、なんとなくちぐはぐな印象を抱きながら聴いた前半。そして、個々の楽器のロマンチックな音色と、そのアンサンブルの妙を楽しませてくれた後半。ひとことで言うと、こんな感じです。

 ワーグナー企画をけなしてしまいましたが、ヴェーゼンドンクを歌った丹藤さんの、どっしりしたソプラノには、秋の夜公演に出かけてきた私をすっぽり抱擁するようなオーラがあったと思います。高音を転がすといったものではなかったのがヨカッタ。

 ヴェーゼンドンク第3曲「温室で」だったと思うのですが、ヴィオラのポポヴィッチさんの、弱音のゆったりと長いトリルが際立って美しかったです。もちろん、伴奏ですから音が突出してくることはありませんでしたが、急造アンサンブルチームのモヤモヤの中から、風にたなびくサテンのリボンのような音の波が、後方の客席まで届いてきたのです。いつまでも続いてほしかったわ。

 後半のシューマンは、アンサンブル・ラロの四重奏にて。よかったです〜。

 どんな演奏になるのだろう、知らない曲だし…と定まらない気分で聴き始めて程なく、ケトラーのピアノの甘やかな音色が私のナビゲーターに。ロマンを味わえばいいのね?と心の中で問うてみる。やがてヴァイオリンやヴィオラの歌と音色、そこに垣間見える奏者の個性と解釈を感じたり想像したり。それぞれの個性がはっきりと感じ取れるのに、アンサンブルとしてもつじつまが合っている。なんて愉快なんでしょう。

 終演後は、この日いちばんの拍手と、メンバーの満足そうな笑顔。

 しかし…
 この四重奏団は2年前もそうだったのだけれど、アンコール曲を用意するのでなく、トリの曲のクライマックスを再演する。直後の再奏って、同じ高揚感はもちろん得られない。私にとっては、やめといた方が気分よく帰れた…という結果に終わったのでした。
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