今日はおばあちゃんの編み物教室の日であり、Kちゃんの習い事の日でもある金曜日なので、仕事はオフ。シルバー&キッズの送迎のためのゆる〜いアッシーの日。
そろそろ「たぬき亭」室内の薪が心細い量になってきたので、外の薪棚から室内に移動する。
薪は伐採後1年は室外に積んで木の水分を飛ばさないと、ストーブに入れても燃えずに燻され煙だらけになるので、家の周りには夫手作りの薪棚が設置されている。
自給自足の生活を夢見る6歳までは都会育ちの夫は、伐採された木の在処をかぎつけては、軽トラを駆って貰い受け、自ら薪割りをし、薪棚に積み上げている。最近は調達先もキープされた。
「薪積み作業」は地道でこつこつした仕事。薪ストーブを入れるにあたって、「ストーブに関する仕事をふらないこと」という条約が夫婦間で締結されているが、薪積みに関しては好きでやっている。
夫はだいたいスペイン人のようにお昼ご飯を食べに帰って来る。昼食代を浮かすと同時に、仕事の気分転換には、帰宅するのがいいみたい。車で10分かからないし。
「今日、薪運びしたんやけど、なんか匂いするの。服に匂いついてる」
「何の匂いやろな?」
「森の匂い!」
くんくんと服の匂いをかぎ、不思議そうな顔をして、彼は仕事に戻った。
森の匂い・・・確かに木の匂いだけど、それだけではない、非常に記憶に残る匂いが服についている。なんだろ、なんだろ、よく知ってるはずなのに思い出せない。
お昼ご飯の後、再度薪積みに取りかかろうと薪を腕に乗せていった時、「森の匂い」の正体を発見した。それは薪の中で冬ごもりをしていたカメムシであった。

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