先日
蕃茄庵日乗6月15日で、蕃茄さんが「メイドカフェ」の後に続き、女性たちに「執事カフェ」が受けているとの話題を提供されていた。「執事カフェ」とは、執事(は職業の性質上、各お店に一人なので)とその他下僕たちにかしづかれ、「お嬢様」としての扱いを受けられる喫茶店らしい。
蕃茄さんが「執事カフェ」について書いてくださったので、私の内心の中途半端な「執事カフェ」に対する思いは解消した。それというのも、初めて「執事カフェ」を新聞紙上で発見したとき、思わず「ブログネタにしよ!」とコピーまでとったのに、結局書けず仕舞いだったからだ。原因は簡単明瞭である。私には、「執事カフェ」への探究心が全く湧かなかったからだ。やはり興味のないものについて書こうという気は起きない。
そもそも喫茶店でかしづかれたいとは思わない。どうせなら本気で日常的にかしづかれたいというのが本音である。
それならどんなカフェなら行きたいのか。昨日「アエラ6月26日号」を読んで、やっとひとつみつけた。
東京・神田にこの2月、時代小説の専門店がオープンしたそうである。歴史時代書房「時代屋」がそれで、接客スタッフは、着物か作務衣姿だそう。呼び名も、バイトが「奉公人」、副店長が「番頭」と念がいっている。店長は「女将」。そもそもは団塊の世代がターゲットだったのに、意外にも若い女性に当たった。
時代小説は守備範囲ではないので得意とする方に任せたいが、しかし時代劇に出て来るような小料理屋や蕎麦屋や峠の茶店なんかを出現させてみたら、行きたいような気がする。もちろんスタッフはチョンマゲや島田や銀杏返しなどの鬘と着物がユニフォームになる。腰の曲がったおばあちゃんなんかも前掛けなんぞしてスタッフにいたら、さぞかしリアルだと思う。七厘とか火鉢とか調度品とかも、お店によって一工夫あれば楽しそう。
だって、時代劇にでてくる食べ物屋さんって、いかにも美味しそうで、みていたらつられて「ああっ! うどんが食べたいっ!」「今すぐ団子を所望つかまつる!」と禁断症状に苦しむことになるからだ。あの、ブラウン管の中でかいま見る江戸の食べ物屋さんには、かなりそそられるものがある。
いや、時代劇だけではない。
落語の「ときそば」や「ときうどん」なんかを見ても、「そ、蕎麦を、いますぐにっ!」「饂飩をもとめるヨダレが・・・」状態に陥落する。なんであんなに美味しそうに扇子でたべられるんだろうね、まったく。
そんな場所を普通につくってくれとは言わないが、関西なら「太秦映画村」にぜひ軒を連ねて欲しいところである。願わくばお店に一人、時代劇のキャラがいて欲しい。本物のキャラを彷彿とさせる代理人でいいから。ちなみに私の希望するキャラはもちろん『素浪人・月影兵庫』『素浪人・花山大吉』に出ていた、品川隆二さん演じるお茶目な渡世人「焼津の半次」である。

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