数年前、ネットでメール配信される古本購入(リスト)にはまった時期があった。
いまや「楽天フリマ」になってしまったが、以前は「EASY SEEK」というところでとりまとめ、全国の古本屋さん&古本を売りたい個人さんの本の情報を毎日メール配信してくれるサービスがあった。本のタイトル、著者名、出版社、売値など書誌情報の一覧を見るのは、なかなか楽しいものだった。
たまに一つのカテゴリーの本がどっと放出されるときもあり、「きっとお亡くなりになった方の蔵書なんやろね」と夫婦でウワサした。
語学の辞書のタイトルがずらりと並んだ時に、夫・H氏は
「これ、ええなあ! こんな誰も知らんような言葉の辞書並んでたら、かっこええやん!」 きたー!
「あかん、そんなん、いらんいらん! 並べてかっこええだけなんか、あかんで」と強硬に却下する。 断固阻止、の私の構えを見て取るや、小さい声で「せめて『パプア・ニューギニア語辞典』だけでもー」「あかん!」
そんな「みてるだけ」な客であり、難攻不落かに見えた私を、脆くもあっさりと崩し去ったカテゴリーがある。児童書にも弱いがまだしも分別は持っている。
カミングアウトしてしまうが、私のアキレス腱は「かるた」なのだ。「かるた」ものには問答無用、天地無用というくらいに超弱い。
その私のアキレス腱を直撃する「かるた」が、なぜかネット上に、どどっと出回ってしまったことがあったのだ。当然私はパニック!!である。この「かるた」の山の中から、2点までには絞らないと(汗)
他にもきっと欲しいかるたはあったはずである。それらを泣く泣く見送ってセレクトした内のひとつが『中原淳一の啄木かるた』だ。石川啄木の短歌を読み札にし、中原淳一の描く少女の絵を取り札にする乙女なかるたなのだ。雑誌「少女の友」昭和14年1月号の付録として、少女達に大人気を博したらしい。国書刊行会の平成13年の復刻版である。札にはまだビニールの帯が巻かれたままなので、新品なのかも。
その頃は中原淳一にも石川啄木にもさほど興味がなかったのに、私にとって啄木イヤーともいうべき今年を予言するようなセレクトだった。不思議なご縁としか言いようがない。
そしてもうひとつのかるた、それは『長嶋語録かるた』(本間康司/作 日本テレビ/発売元)である。こちらはまだパッキングされたビニール包装がかかったままで、封もきられていない新品同様の品である。もったいなくて、私もまだ封を切っていないのだ。いつの日かお正月に『長嶋語録かるた』で遊べる日はやって来るのだろうか。

なんとミスマッチな二種であることよ。

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