対岸の湖西の比良山系には、雪雲がかかっていた。まもなく湖西は雪をかぶった山の連なりになるのだろう。明日の凛とした風景が楽しみ・・・でも、ああ、スノータイヤに替えなくちゃ。と、現実的な生活に立ち戻る。
ところで「広告批評」という雑誌を定期購読している話は、以前書いた。その11月号は、毎年決まった特集で、決まった付録が付いて、もちろん特別価格になる。
特集は毎年「世界のコマーシャル200X」、カンヌ国際広告祭の入賞作を中心に、今年話題のCM100本を厳選されている。付録のCD-Romには、そのうちの56本が入っている。価格は1100円。安いのか高いのかは、その年のレベルと、買ったヒトの好みのCMがいくつあるかで決まりそう。
以前は私より先に、子ども達が競って見たので、「これ、めっちゃ面白いねん!みてみて!!」とお勧めしてくれ、ベスト・オブ・ベストなCMを最短距離でみる事が出来た。
たとえば2002年版では、イギリスのCMでカーペンターズの有名な曲「CLOSE TO TOU」を、調子はずれに歌いながら歩いて来るふたり連れ。彼と彼女が画面中央までくると「○○(商品名)を買わないと、(この下手な歌を)もっと放映しますよ!」と、脅しをかけるのだ。確信犯なのである。
次には「どうやら前回のCMを本気にしなかった人がいるようですね」と、これからオソロシイことが起こることを匂わせながら、前の二人にプラス二人が加わり、より「へたくそ」なカルテット。その次には楽器が入り、という風に同一メロディでより「へたくそ加減」がパワーアップし、シリーズ化していく。
ある意味、芸術的な歌と演奏であった。わざとあんな風には、なかなかできないって。
2004年版のオランダのCMでは、某国(たぶん北朝鮮をイメージしている)のトップを称えるマスゲームの練習風景だった。主人公?はマスゲームに参加する冴えないドジそうな男性。そのトップの顔をパネルで作るのだが、本番の日、男性は(案の定!)しっかり遅刻し、マスゲームに間に合わなかった。そして彼が遅れたばっかりに、マスゲームの某国のトップの顔には黒い空白が生じ、その1カ所の不在のため、間抜けな歯抜けになってしまう・・・。
繰り返し見た程面白かったのに、商品名のインパクトが全く無くて、本末転倒かも。前者はハイネケン(ビール)、後者は保険のCMだったんだけどね。いや、きっとテレビで繰り返し日常のCMとして見ていたら、覚えていたのかも知れない。かつて我家で快哉を博したUFJ銀行の忍者のCMみたいにね。

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