ベジャール・バレエ・ローザンヌ
2008年大阪公演「バレエ・フォー・ライフ」
日時:2008年6月20日(金)19時開演
会場:フェスティバルホール
上演時間:110分(途中休憩なし)
音楽はほとんどクイーン(それとモーツァルト少し)、ダンスはベジャール。というわけで、ダンサーの身体とヴェルサーチの衣装が今日のメイン・ディッシュ。
フレディ役はジュリアン・ファブロー。
ボーン・トゥ・ラヴ・ユーはエリザベット・ロス。
ティエリー・デバルとダリア・イワノワのペアが、アヴァン・ギャルドふう彩色の衣装を着けてモーツァルトのピアノ協奏曲など、各所に出演。
Radio Ga Ga はドメニコ・ルヴレ。
シーサイド・ランデヴーはカトリーヌ・ズアナバール。
ジル・ロマンは「エジプト王タモスへの前奏曲」、「フリーメーソンのための葬送音楽」(どちらもモーツァルト)2曲のソロをはじめ、カテリーナ・シャルキナと組んで5曲くらい出演してたろうか。
座席のかげんか、ダンサーの押し出しは、以前観た「魔笛」や「愛、それはダンス」より控え目。目が眩むことなく、落ち着いて鑑賞できました。なにごとも、場数を踏むことなのね。(?)。
那須野圭右は、ウィンターズ・テイルでソロ。羽のように軽くて柔らか。彼の動きはバレエ団の中でも唯一無二じゃないかしら。欧米系の美しいダンサーの中で、彼はネバーランド生まれの妖精といったところかな。
その那須野さんから少し離れたところ、展開した箱の中、アンダーひとつで踊るのはスキアッタレッラとノペ。ノペは成熟する前の動物、まだ「仔」のつく時期の幼くしなやかのものを想起させる。
今日の我的ヒットはダリア・イワノワです。冒頭と終幕の白い衣装(セパレーツのトップスとタイツ)、そしてブライトン・ロックで見せたトゥ・シューズでの踊りが最高。大柄、女性らしく豊かで、なお引きしまった筋肉、素早く柔らかな動きが出来る関節、強いポアント、きりりと引上げる脚。ロシアのアイス・ダンスのチャンピオンの、足首とつま先をスケート靴から自由にして、力強さを足したような感じ。見惚れたわ。
全体としてこれはどういう作品なのか、ちょっとよく掴めませんでしたが、面白かったです。ダンサーの身体表現、衣装や照明といった観る楽しみが全編に。
終演後のカーテンコールは盛大かつ潔く。幕が下り、すぐに上がってジルを真ん中にしたダンサーたちが前方へ駆け出てくると、満席の1階前方ブロックは一斉にスタンディング。これにはジルさんも目を瞠っていました。ベジャール・バレエ・ファンの集いに与せてもらえてよかったです。

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