2016/3/30
きょう、女優の樹木希林さんが来てくださいました。4月29日に行われる「無言館」での成人式。今年のメインゲストが樹木さんです。 窪島さんとの打ち合わせのため、上田へいらしたのだそうです。親しくされていた灰谷健次郎さんの作品や資料が、多くあることを窪島さんから伺ってここを訪ねて下さったのです。 「熱海の家の壁にかけてある小宮山さんの“書”(灰谷さんの詩を、父が巾2mほどの紙に書かせていただいたもの)の前で、樹木さんがずっと長いこと黙ったまま座っていましたよ。」 灰谷さんがそう話されていたことを、樹木さんにお伝えしました。 「無言館」で初めての成人式が行われたのは、2003年のことです。「ああ、今年で14回目になるんだ・・・・・」、私がそんなふうに感慨深く思うのは、その第一回目の成人式のゲストが父だったからなのです。 その時のことを、私はこんなふうに記しています。 先日行われた「無言館」での初めての成人式で、父は新成人の方たちひとり ひとりに自筆の手紙を贈りました。 それぞれに話しかけるように、ていねいに書き上げた手紙です。 握手をして渡しました。 彼らの手をしっかりと握る父の姿には、若者たちに何かを伝えたい、何かを 託したい、そんな思いがあふれていて、見つめている私はいつの間にか、 ひそかに涙ぐんでいたのです。 (「小宮山量平いのちを語るシリーズ」のおしらせより) あの日、38人の若者たちが新たな一歩を歩み出しました。14年後の今、父の言葉が彼らの心の中に何らかの形で生き続けていることを願っています。
2016.3.30 荒井 きぬ枝
樹木希林さん、父の遺影と一緒に
第一回目の成人式を伝える信濃毎日新聞の記事 左端のグリーンのベレー帽を被っているのが父
投稿者: エディターズミュージアム
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