2016/7/27
今、一冊の絵本を手にとっています。
『いのち』──昔からのいのち 今ここにあるいのち 明日うまれるいのち──
(文 永六輔 絵 坪谷令子2004年1月 理論社刊)
永さんがことばをつむぎ、坪谷さんが「蜜蝋」で絵を描きました。
1頁目をめくると、永さんがこんな言葉を記しています。
花が咲いて 蜂が舞って 蜜を集めて 蜜蝋が生まれて
木や林や森と 美しい水が 紙を産んで
そこに坪谷令子さんが筆で祈って
みんなでこの世に贈る絵本です
永 六輔
“いのち”が何より大切だということ。どれもかけがえのない“いのち”だということ。永さんはそのことを、いつも心の真ん中に据えていらっしゃいました。
阪神淡路大震災の直後に発足した障害者の復興のための「ゆめ風基金」の代表世話人として、全国をボランティアで駆け巡っていらした永さんを思い浮かべます。
今回の事件に胸がつぶれそうになりながら、絵本『いのち』の中に永さんが遺されたことばのひとつひとつを、抱きしめるように読み返しています。
2016.7.27 荒井 きぬ枝
い の ち
昔むかし大昔 海の中で生まれたいのち
すべてのいのちが そこから受けつがれて・・・
ひとつひとつが いろいろないのち 同じいのちは ひとつもない
目を閉じて いのちの歌を 聞こう
自然の歌を 聞こう ホラ 聞こえる
(中略)
いのちといのち よりそって
いのちといのち ささえあう
父さんのいのち 母さんのいのち
父さんのいのちが 母さんのいのちに そして君のいのち
父さんの父さんの父さんの父さんの・・・・・・
母さんの母さんの母さんの母さんの・・・・・・
君はどこまで知っているか 君のいのちをつくった人たち
似ているけれど 同じいのちは ひとつもない ひとつも
(中略)
いのちといのちは
つながって 明日のいのち
花が散り 星が流れ ガラスが割れ 火が消え
・・・・・・でも いのちは いつまでも
『いのち』の表紙
投稿者: エディターズミュージアム
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