第2回 「卯の花忌」ーそして小宮山量平93歳のお祝いー
信濃毎日新聞 2009・5・25 東信/北信版 掲載記事
児童文学の故・灰谷健次郎さん思い起こしーゆかりの小宮山量平さん永六輔さんら集い
上田市天神1のエディターズミュージアムは二十四日、児童文学作家の故・灰谷健次郎さんを思い起こしながら、灰谷さんの作品を世に送り出した作家・編集者の小宮山量平さん=上田市=の誕生日を祝う「卯(う)の花忌」を開いた。
作家の永六輔さんら、灰谷さんとゆかりのある人々が集まった。
昨年に続き二回目。小宮山さんは冒頭のあいさつで、十二日に93歳の誕生日を迎えたことに触れ、「九十歳を過ぎると、次の時代がどのような時代となるかを見通し、どうするべきかを考える力が身に着く」などと語った。
永さんは「人間は一人一人違っていて、その違いを比べず、尊重することが大切なんだーと、教育について灰谷さんと話したことを覚えている」などと振り返った。そして「人の死は、だれもその人の話をしなくなったときに訪れる。だから、こうして話をしている間は灰谷さんは生きている」と話した。
灰谷さんの著作の挿絵を多く描いた画家の坪谷令子さんも訪れた。坪谷さんは「勤めていた学校の近くに灰谷さんの仕事場があり、顔を合わせると原稿用紙を見せながら『今日はこんだけ書けたで』と言っていた」などと振り返った。