三洋、半導体事業の売却を断念 再建計画見直し不可避(朝日新聞)
経営再建中の三洋電機が買収ファンドのアドバンテッジパートナーズ(AP)と進めていた半導体事業の売却交渉が条件面で折り合わず、不調に終わったことが16日分かった。
三洋は新たな売却先を探さず、同事業を継続する方針だ。米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローンでファンド側が資金調達難に陥ったことが原因とみられ、三洋は再建計画を大幅に見直さざるを得なくなった。
売却額は1000億円超とみられていたが、交渉の最終局面でAP側から厳しい条件提示が行われた模様だ。三洋幹部は売却を断念する理由について「資金難は他のファンドも同じ。半導体はカーナビなどとの相乗効果が期待でき、安値で売却する必要はない」としている。
ただ、三洋の事業売却については米格付け機関のスタンダード・アンド・プアーズが「業績の下ぶれリスクが減る」とみるなど市場が好感していただけに、売却失敗は株式市場などでマイナス評価される可能性が高い。
三洋の半導体事業は売上高約1800億円、営業利益約40億円(07年3月期)。テレビなどAV向けに強みがあるが、本体がAV事業を縮小したこともあり06年7月に分社化して売却を模索してきた。8月末に複数の買収ファンドによる最終入札が行われた結果、国内ファンドのAPが優先交渉権を得ていた。

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