東芝の「構造改革」経営戦略(産経新聞)
東芝は29日、主力の半導体事業の収益が大幅に悪化し、平成21年3月期の連結営業損益が2800億円の赤字に転落すると発表した。赤字は14年3月期以来7年ぶりで、赤字幅は過去最悪となる。これを受け、東芝は半導体関連を中心に期間従業員4500人の削減や生産体制の見直しを柱とした構造改革を発表した。
21年3月期の業績見通しは、売上高が従来予想から1兆円減の6兆7000億円。営業損益は4300億円目減りする。最終損益も2800億円の赤字(従来予想は700億円の黒字)となる。
西田厚聡(あつとし)社長は都内で会見し、「業界再編を視野に入れ、抜本的な構造改革を検討している」と表明。給与カットを実施し、役員基本報酬が最大50%、管理職の年収も最大15%減額する。
業績悪化の最大の要因となった半導体事業では、三重県と岩手県に予定していたフラッシュメモリー新工場は着工を今年春から1年以上延期する。電機業界ではソニーも2600億円の営業赤字に転落する見通しとなるなど、自動車に続き、軒並み業績の下方修正を余儀なくされている。

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