野菜価格、落ち着く 高値ピーク時より2〜4割下落(朝日新聞)
一時高止まりしていた野菜の価格が落ち着き、キャベツはピーク時より4割安くなった。価格高騰を受け、農林水産省は4月に形がふぞろいな規格外野菜の出荷や前倒し出荷を生産者団体に要請したが、価格下落には政策より、好天による出荷量の回復が効いたようだ。
農水省が25日発表した野菜小売価格調査(17〜21日の全国平均)によると、1キロ当たりの価格はキャベツが172円になるなど、高値のピーク時より2〜4割下落した。ただ、平年(過去5年の平均値)と比べるとキャベツは7%安だが、レタスが13%高、ナスが10%高、キュウリが3%高となっている。
価格下落の要因は、5月の連休以降に好天が続いて出荷が進んだことが大きい。今後の価格は「天候次第」(野菜卸大手)という。価格高騰を受けて農水省は4月16日、全国農業協同組合連合会(全農)に規格外野菜の出荷や前倒し出荷を求めた。キャベツとタマネギの前倒し出荷には助成金も出した。しかし「結果は集計中だが、天候不順で収穫が進まず、計画通りにはいかなかった」(農水省担当課)。
規格外野菜については、農水省の要請を受ける形で小売り大手のイオンが東京や名古屋の一部の店で市況よりも大幅に値引きして販売した。しかし大規模な販売はイオンもイトーヨーカ堂も4月の1回だけ。「まとまった量の規格外野菜を集めて販売するのは簡単ではない」(流通関係者)という。

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