ソフトバンクの行方について
ICT太閤ソフトバンクはどこへ?成長は市場に連動。だが、大きくなった組織は維持が大変。ソフトバンクはさらなる収益を求めてどこへ行こうとしているのか?
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ソフトバンク:再び財務悪化に懸念も ボーダフォン買収
ソフトバンクが携帯電話国内3位のボーダフォン日本法人を買収する方向で交渉していることが4日、明らかになったが、実現すれば、ソフトバンクは新規参入ながら、一度にまとまった顧客基盤を確保することになる。ただ、1兆円超に上る巨額の買収費用は、ようやく赤字体質を脱却しつつあるソフトバンクの財務を再び悪化させる懸念があり、課題も多そうだ。
ソフトバンクの孫正義社長は今年2月、06年3月期の営業収益が5年ぶりに黒字になるとの見通しを明らかにしていた。05年3月末時点で5316億円あった純有利子負債(有利子負債額から手元の現金を差し引いた額)も徐々に減少している。
ソフトバンクがボーダフォンを買収する場合、新株発行や金融機関などからの借り入れで調達すると見られる。そうなれば、有利子負債は再び急拡大し、財務の健全性を示す株主資本比率が一般的に危険な水準と言われる10%を割り込む可能性もある。
一方、ボーダフォン日本法人の株主資本比率は52.1%(05年3月期)あり、財務状態は健全だ。最終利益も1620億円(同)と、現状では、ソフトバンクの企業価値の向上に寄与するものと見られる。
しかし、今年11月に携帯会社を変えても携帯番号を変えないで済む「番号ポータビリティー制度」が導入されると、携帯電話会社間の競争はいっそう激しさを増す。ボーダフォンの顧客(国内加入者シェア約17%)を獲得できるとはいえ、首位のNTTドコモ(約56%)や2位のKDDI(約27%)には及ばない。
ソフトバンクのこれまでの基本戦略は、安値を武器にした利用者拡大だったが、携帯電話で過激な安値競争を展開すれば、収益性が悪化し、さらに財務面に悪影響を与える可能性もある。
動画配信事業などの豊富なコンテンツ(情報内容)や固定電話、ADSL事業における顧客をいかに有効活用できるかが、財務の改善を左右しそうだ(毎日新聞2006年3月4日)

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