塾頭の新刊『経営学講義:世界に通じるマネジメント』
だれでもマネジメントを語りうる。ほとんどの人は企業などの組織などで働く。それゆえに、すべての人は組織にかかわるマネジメントに関心をもつ。本書の特徴は、こうしたすべての人にとってのマネジメントとは何かを考えている。そこにマネジメントの本質があるからである。日本的とか?米国的とか?中国的とか?といった視点がしばしばマネジメント論や経営論に登場する。だが重要なのは良いマナジメントとは良いという視点である。
そこにこそ世界に通じるマネジメントの本質がある。このようなことを抽象的な議論ではなく、本書では著者の30年以上にわたる企業観察からの知見だけではなく、ノンフィクションや経済小説(企業小説)などを通してマネジメントの本質が語られている。経営学講義というかたちをとっているが、内容は実に濃いのである。工学出身で産官学を横断的に経験してきた経済社会学者である著者ならではの語り口が魅力的となっている。およそ14のテーマに沿ったマネジメント論がそこにある。

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