「優秀な技術者の処遇検討を」電機工業会会長が流出懸念(朝日新聞)
東芝の技術流出問題をめぐり、電機各社でつくる日本電機工業会の稲村純三会長(明電舎)は14日、経験豊富な技術者が国内で働き続けやすくするため、処遇改善策を検討すべきだとの認識を示した。海外企業への再就職を通じ、身に着けた技術が流出する例が少なくないことを念頭においたものだ。
稲村会長は会見で、「データ管理の徹底など対策は各社で取っているが、技術者の頭の中(の情報など)までは管理出来ず、技術流出を百%防ぐのは難しい」と指摘した。技術者が身につけた経験や知識を転職先で生かすこと自体は規制できないためだ。そのうえで「優秀な高齢の技術者の処遇は業界として考えないといけない」と述べた。定年延長や報酬の引き上げなどが念頭にあるとみられる。
東芝の問題では、提携先の米半導体大手の元技術者が半導体メモリーの最先端技術を不正に入手し、再就職した韓国のSKハイニックスに渡した、とされる。こうした不正行為までいかなくとも韓国や中国などの企業が日本企業から技術者を引き抜いたり、退職者を再雇用したりする例は珍しくない。日本企業がリストラを繰り返し、技術者の処遇が悪化していることも一因だ。

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