TPPで暮らしはどうなる?(東京新聞)
環太平洋連携協定(TPP)交渉が大筋合意し、日本国内でも消費者や企業、農業者などさまざまな活動に影響が出てくる。どのような交渉内容がまとまったのか。ポイントを解説する。
日本は外国産のコメをウルグアイ・ラウンドで義務付けられたミニマムアクセス(最低輸入量)に従い、年七十七万トンを無関税で輸入する。TPPではこれに加え、米国と豪州からの無関税の輸入枠を新設する。輸入枠は発効から三年間は米国五万トン、豪州六千トンとし段階的に拡大。十三年目以降は米国七万トンと豪州八千四百トンとする。
両国からコメの市場開放を迫られる中、日本は778%の高い関税を維持することになった。だが、新たな輸入枠で海外産のコメが約一割増える。国内ではコメの一人当たりの消費量が一九六二年のピークから半減。年五十七キロになった。コメの在庫が増え、米価は下落している。こうした中、輸入米の増加が国内のコメ農家に打撃を与えないよう、政府は新たな輸入枠で国内に入るコメと同量の国産米を備蓄米として買い入れ、価格への影響を抑えることを検討している。

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