シャープ、革新機構が経営権 再建策4日受け入れへ(産経)
シャープの再建案を提示した産業革新機構。取材に応じる浜辺哲也専務=29日夜、東京都千代田区
官民ファンドの産業革新機構が、経営難のシャープの再建案をまとめ、同社に提示したことが29日、分かった。機構がシャープの株式の過半を3千億円規模の出資で取得して経営権を握り、業績不振の主因となってきた液晶事業を本体から切り離した上で新会社を設立することが柱。シャープは平成27年10〜12月期の決算を発表する2月4日に向けて、機構案を受け入れる方向で主力取引銀行と協議を進める。
関係者によると、機構が29日に都内で開いた外部有識者を含めた意思決定機関の「産業革新委員会」で、委員に対して事務局から再建案が示された。委員から異論はなく、了承された。シャープには昨年9月時点で約7600億円の有利子負債があり、経営の重荷になっている。
機構案は出資の前提条件として、高橋興三社長ら現経営陣に退陣を求める。みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行の主力2行に対しては3500億円規模の金融支援を要請する方針だ。シャープ本体から切り離した液晶事業は、30年度にも機構が大株主の中小型液晶大手ジャパンディスプレイ(JDI)と統合させ、競争力を高める考え。政府は、機構のシャープへの出資を通じて液晶技術の海外流出を防ぎ、シャープの洗濯機や冷蔵庫など白物家電事業も、東芝の同事業との統合により、業界再編を進める意向だ。

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