東芝、赤字6000億円超 3月期下方修正 事業全般で悪化(東京新聞)
東芝が二〇一六年三月期連結決算の純損益の赤字見通しを下方修正することが三日、分かった。赤字額は従来の五千五百億円から六千億円超に拡大するもようだ。主力の半導体の価格が下落するなど大半の事業で収益が悪化しているためとみられる。一五年四〜十二月期決算とともに四日に発表する見通し。
昨年十二月に五千五百億円の赤字予想を発表したばかりだが、不正会計で収益力が低下しており、短期間で一段の下方修正に追い込まれた。一五年三月期の三百七十八億円の純損失に続き、二年連続の赤字になる。
東芝の収益を支えてきた半導体事業は、主要製品の市況が悪化しており、事業環境が厳しくなっている。パソコンや、冷蔵庫などの白物家電の事業で不振が続いているほか、家電や半導体事業などで計約一万人の従業員の人員整理をするための関連費用も影響したもようだ。第四・四半期の事業環境やリストラの進捗(しんちょく)状況などによっては、日立製作所が〇九年三月期に計上した七千八百七十三億円の赤字を上回り、国内の事業会社として過去最大規模となる可能性もある。
東芝は財務の悪化に歯止めをかけるため、優良事業の医療機器子会社「東芝メディカルシステムズ」(栃木県大田原市)を売却する予定で、入札などの手続きを進めている。今後は、赤字が続くパソコンや家電などで、売却や他社との事業統合が順調に進むかも、業績を回復させるための焦点となりそうだ。

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