焦点:萎縮する中国民間部門、政策転換に経済悪化が追い打ち(ロイター)
- かつて活気に満ちていた中国の民間セクターは、今年入って急激に進んだ経済悪化の直撃を受けており、起業家の中から政策の効果ばかりか政府の真意を疑う声まで上がっている。起業再興を促した中国の改革・開放政策は40周年を迎えたが、民間企業の間では政府は国有企業重視の姿勢を強めているのではないかと不安が広がっている。
習近平国家主席は先週放映された起業家との会談で民間企業への支持を表明し、公平な経営環境や減税を約束。民間セクターへの金融支援も改めて確認した。しかし習氏は同時に国有セクター擁護の姿勢も示し、国有企業の改革を進めて監視を強化することは、全国民のものである国有資産の保護に役立つと述べた。
江蘇省の防護手袋メーカーの幹部は「長い目で見るとプレッシャーはかなり大きくなるだろう。大企業の優位がどんどん強まる一方、中小企業は食い物にされるか破綻するか、そのいずれかでしかないのは明らかだからだ」と話した。成長鈍化を受けて政府がリスクの高い借り入れの引き締めを強化したため、民間セクターは資金調達が苦しくなり、経営が悪化するところも出ている。国営メディアによると、今年に入って国有企業に株式を売却した上場民間企業は少なくとも40社に上る。

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