「米国株と原油が安い、国債と金は逃避需要で大幅高」
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米国株と原油が安い、国債と金は逃避需要で大幅高(BL)
貿易巡る米中の姿勢が株価押し下げ、10年債利回りは一時2.30%割れ。NY原油は5.7%安と今年最大の下げ、リスク回避の動き活発化。23日の米株式相場は大幅続落。米国と中国が貿易を巡りかたくなな姿勢を見せる中、金や米国債などに資金を逃避させる動きが活発化した。10年債利回りは2017年以来の低水準となった。
米国株は大幅続落、貿易巡る米中の強硬姿勢を嫌気。米国債は大幅続伸−10年債利回りは.32%、17年以来の低水準。NY原油先物は急落、今年最大の下げ−貿易懸念で信頼感低下。NY金先物は大幅続伸、米中貿易摩擦巡る懸念でこの日は米国の関税政策を批判した中国共産党機関紙の論説記事が材料視された。S&P500種株価指数は直近5営業日で4度目の下落。ダウ工業株30種平均は280ドル余りの下げとなった。S&P500種株価指数は前日比1.2%安の2822.24。ダウ平均は286.14ドル(1.1%)安の25490.47ドル。ナスダック総合指数は1.6%低下。ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りは6ベーシスポイント(bp、1bp)低下の2.32%。
ニューヨーク原油先物相場は大幅続落。今年最大の下げとなった。貿易を巡る米国と中国の対立悪化で、リスク資産を回避する動きが強まった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物7月限は3.51ドル(5.7%)安の1バレル=57.91ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント7月限は4.5%安の67.76ドル。
ニューヨーク金先物相場は大幅続伸。米中貿易摩擦が悪化する兆候が金の逃避需要を高める展開となった。INTL FCストーンのアナリスト、エド・メアー氏は米中問題に関し、「両国は互いに話し掛けてさえいないため、解決への糸口は見いだせないようだ」と述べた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は0.9%高の1オンス=1285.40ドル。
株式市場では、貿易の混乱の影響が及びやすい半導体、自動車、エネルギーといった業種の下げが目立った。貿易摩擦が2035年まで続く恐れがあるとの指摘が出るなど、エコノミストの見方も悲観度合いを強めている。ゴールドマン・サックス・グループが両国の交渉が行き詰まる確率を引き上げたほか、野村ホールディングスは全面的な関税合戦を見込むとの見方にシフトした。
米国と欧州のマクロ環境悪化を受け、米国債は大きく上昇。先進国市場の国債高を主導した。米中貿易摩擦が悪化する兆しに加え、米製造業指標が予想を下回ったことで、逃避需要が高まった。米国債利回りは幅広い年限で大幅低下。10年債利回りは一時2.30%を割り込み、2017年10月以来の低水準となった。

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