「パウエル議長、中国経済を理解するのは「至難の業」」
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パウエル議長、中国経済を理解するのは「至難の業」−議会証言(ブルームバーグ)
中国のデレバレッジキャンペーン、世界的な成長鈍化の一因に。20年もの間急成長を遂げていた中国経済の成熟化にも言及。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、中国経済に何が起きているのかを知るのは困難だと述べるとともに、同国政府が進めるデレバレッジ(過剰債務の削減)キャンペーンが世界的な成長鈍化の一因であるとの見方を示した上下両院合同経済委員会で13日に証言したパウエル議長は、「中国を理解するのは至難の業だ」と指摘。「どんな資料でも望めば読むことができるし、いつでもそこを訪れることが可能だが、中国経済がどのように動いているのか理解したと実感するのはまだ非常に難しい」と語った。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁もこの日、中国経済の成長鈍化の理由を知るのは容易ではないとして、パウエル議長と同様の見解を示した。
デーリー総裁はサンフランシスコでのブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、同国経済の減速のうちどの程度が、二桁成長からより落ち着いたペースへの自然な経済成熟化によるもので、どの程度がシクリカル(景気循環的)なものなのか、はっきり理解するのは困難だと話した。パウエル議長も中国経済の成熟化に言及した上で、同国指導部として過去30年もの急成長からの長期的なペースダウンを果たそうとしているものと見受けられると説明。ただ、景気てこ入れの取り組みは金融危機後のものに比べると緩やかだと指摘した。
「彼らは現在のこうした状況に大型刺激策で対応してはいない」とパウエル議長はコメント。「彼らはもっと注意深く慎重だ。ご存じの通り、彼らはこの1年ないし2年にわたりデレバレッジのキャンペーンを進め、その手を緩めていない。そして、少なくとも債務拡大に歯止めをかけようとすることで、世界的な鈍化の一因となっている」との見方を示した。

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