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ランチェスとーとものづくり
21日大雨の中、大阪門真にある松下電工本社にお邪魔した。東大阪花園村に土着する私にとって楽しみな遠足であった。京阪西三荘から北に歩いて三分少々、門には綺麗なおねーさんが座る受付とセキュリティーゲート。担当者が来るまで100円傘を差し、入門ウオッチング。
自転車に乗って雨合羽を着た社員さんがゲートにカードをかざす。なんとなくほっとする。門に立たれている方々に威圧感はない、なごやか。このグループでは余りお目にかからないが、時より門に生息する慇懃無礼な人々がいる会社がある、時折彼らと一戦を交える。
十数年前に電工さんの三重県津工場に行った。幸之助さんが発明した二股ソケットが展示していた。そこでものづくりを見た、腰の低いものづくりを見た。十数年前にUV効果炉の立会いでこの本社に来たことがあったが、今は浦島太郎。
お客さんと此処で10時にJOINT。新規工法開発を電工、商社、鉄工所、お客さんでものにするキックオフの日。私共のお客さんはグローバルシェアを40%いや50%エエイ60%だ!と威勢がいい。その中で昨日のクレーム、今日の生産、明日の仕込が乱舞。
日夜、涙が出るくらいダイナミックなものづくりを体験。ダイナミックなものづくりは外部からの情報を入りにくくする。浦島太郎になる前に娑婆に出る。今日は浦島太郎を感じる日でもある。
「課題は明確、目的は一つ、そのために今日来ました」。
使い物にならんカタログ製品を見に来たのではない、課題解決のための仲間作りが今日のつかみ。試作実験のためにクリーンルームに入り、実験開始。
お客さんの若いエンジニアと電工さんのエンジニアの格闘が始まった。私は十二畳程の空間を熊のように歩く。
電工さんの試作実験室をウオッチング。やっぱりこの顕微鏡欲しいな、塗れ性試験ははこんな風にやるんや、眼で見る触れてみるそこで初めて欲しいものが判る。実験結果は余りぱっとしないものであったがお客さんのフロアに持ち込んで本格的に見極める事にする。あかんものは無理やり次のSTEPにはいかない、時間の無駄。成果の多きものは即行動である。ものにするためのプログラムが動き出した。
小商いの私共が「グローバルシェアを40%いや50%エエイ60%だ!」に付いていくのは至難の業。引っ張っていく事のほうが楽。引っ張っていく事の方が先に考え、行動する事が出来る。これも生きる術。
お客さんの近くに本社を持つ年商700億円の電機商社も巻き込んだ。近頃の商社の大多数はものづくりの現場が見れない、見ない、見せてもらえない。現場を這いずり回った先輩達がいなくなり皿回しならぬ金廻し中心の輩が多くなった。
彼らは空を見ながら商売をしている。2.5次産業を標榜するこの商社は粘り強い、腰の低いものづくり支援商店だ。「なにが2.5次や0.5やろうおもたら血の雨降るで」と二年前毒付いた。去年、PDPのラインを受注し血の雨を降らせ見事に納めきった。0.5我々に近づいた。
スタッフが眼を真っ赤にし装置出荷する。売上だけが自動的に上がる。何故か明日が怖くなる。今の売上に巻き込まれないよう、課題を整理する。経営者としての技術の腕をあげる。重要だ。
ふとランチェスターが浮かんだ、マーケティングの話だがものづくりの現場に使える。かも?お客さんが市場で勝てる武器の提供。少し、勉強しよう。う。

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