2010/1/28

上野寸景  日常 時事

椋鳥のわれを窺ひゐたりしかパン切れ掠め去る池之端

二つ買つたドーナツを食べてゐる正面の柵の上に小雀と一緒に並んでゐるなあと漫然ながめてゐたところが油断も隙もないか。食べ終へかけた残片へ猛然と襲ひ掛り可愛らしい一片をまんまと、これは気がつかぬことでしたと寄つて来る小雀と椋鳥と均等になるやうにちぎつて分けてやりました。

しもた家を通りすがりの潜り戸開け呼ばふ老女よゴミ出してよと

上野駅沿ひに寛永寺の霊園へと続く崖上の道を辿つてゐた所、元は商家らしき作りの多年雨ざらしになつた二軒続きの二階家の前を通つた時にこんなことがありました。お婆さんはパジャマの上に毛糸編みの袖なしチョッキを羽織つただけ、足も弱り道向うの集積所へ行くも億劫だつたのでせう。他生の縁の中と思ひ承つておきました。

歌集本編は完結しましたので、今後は五首一連に拘らず詞書や自註をなるべく添へることにします。
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