フィギュアスケート女子シングルのショートプログラムが行われました。今大会でフィギュアスケートが何故か午前10時からスタートするという不思議な現象が起こっているのは、恐らく皆さんが気付いているであろう原因によるものです。
平昌五輪の中継を行うための放映権料がIOCに支払われる訳ですが、その全放映権料の50%を支払っているのがアメリカNBCだそうです。当然ながら、かけたコストは回収しないといけませんから発言力は競技の日程にも影響して来ます。アメリカやカナダで人気の高いフィギュアスケートやスノーボードは北米大陸のゴールデンタイムに生中継できるように午前10時から競技を行います。ヨーロッパで人気のスピードスケートやジャンプ競技などはヨーロッパのゴールデンタイムに合わせる為に夜遅い時間、下手をすれば日をまたぐという時間になります。
平昌五輪は日本と時差のない大会です。それなのにアメリカやヨーロッパで開催されているかのような時差を感じてしまうのはその為です。東京五輪でも日本国内開催にもかかわらず時差を感じるテレビ中継になりそうなのは、選手にとって物凄い負担になりそうです。酷暑の日本の7月の日中に陸上100m決勝が行われるというようなことになると、走る選手にとっても競技場で観戦する観衆にとってもメリットがないばかりか、不利益ばかりが多くなります。五輪は商業主義の中で、非常に大きなビジネスとなりました。その収益がなければ開催を立候補する都市がないというのも実情です。今後もその傾向が一層顕著になるでしょうね。
それはさておき、女子フィギュアSPの結果です。ロシアの2人が段違いの強さを見せているのが昨今の女子フィギュア界。4回転の成否が勝敗を大きく左右する男子と比べると、技の難易度よりも演技の出来栄えが重視されているのが女子の現状です。そうなってしまった原因を考えると、浅田真央の3アクセルへの低評価が一番大きいのではないでしょうか? 成功して得られる得点の低さに対して失敗した時のリスクが大き過ぎます。その為にチャレンジしようとする若手が続かなかったので、今のような技の難易度を競わない、出来栄えという見た目に走るようになってしまいました。これは、浅田を勝たせたくない勢力の圧力に競技団体やメディアが負けてしまった結果なのですが、あまりに露骨だった為に女子フィギュアの成長そのものを10年遅らせてしまった感は否めません。
【女子SP】
1 アリーナ・ザギトワ(OAR) 82.92
2 エフゲーニャ・メドベージェワ(OAR) 81.62
3 ケイトリン・オズモンド(カナダ) 78.87
4 宮原知子(日本) 75.94
5 坂本花織(日本) 73.18
6 カロリーナ・コストナー(イタリア) 73.15
7 ガブリエル・デールマン(カナダ) 68.90
8 崔多彬(韓国) 67.77
9 長洲未来(米国) 66.93
10 カレン・チェン(米国) 65.90
11 ブラディー・テネル(米国) 64.01
12 マリア・ソツコワ(OAR) 63.86
13 ニコル・ライチョバ(スロバキア) 60.59
14 ニコル・ショット(ドイツ) 59.20
15 エリザベート・トゥルシンバエワ(カザフスタン) 57.95
16 カイラニ・クレイン(豪州) 56.77
17 イサドラ・ウィリアムズ(ブラジル) 55.74
18 エミー・ペルネトン(フィンランド) 55.28
19 アレクシア・パガニーニ(スイス) 55.26
20 ルナ・ヘンドリックス(ベルギー) 55.16
21 キム・ハヌル(韓国) 54.33
22 マエ=ベレニス・メイテ(フランス) 53.67
23 イベット・トース(ハンガリー) 53.22
24 李香凝(中国) 52.46
25 ラーキン・オストマン
(カナダ) 51.42
26 ディアナ・ニキティナ
(ラトビア) 51.22
27 ジャダ・ルッソ
(イタリア) 50.88
28 アニタ・オストルンド
(スウェーデン) 49.14
29 アンナ・フニチェンコワ
(ウクライナ) 47.59
30 アイザ・マムベコワ
(カザフスタン) 44.40
ジャンプが低くGOEで大きく勝点がもらえない上に今季は度重なる回転不足に悩まされ続けた宮原。個人のSPでは回転不足もなく勝点を貰える演技でPBを更新しました。団体ではミスを繰り返した坂本も同じくPBで5位に付けました。上位5人がPBを更新し、世界最高得点を2人が更新したロシア勢を誰が崩すのかという興味は少し薄れてきた感じです。
さて、日本女子にバンクーバー以来のメダルが来るのか? 一日開けてFSが行われます。
五輪の見どころもあと少し。
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