第93回選抜高校野球大会の8日目、2回戦3試合が行われベスト8が出揃いました。
8日目の2回戦3試合は下記の通りです。
◇第1試合
智弁学園−広島新庄
◇第2試合
東海大菅生−京都国際
◇第3試合
常総学院−中京大中京
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抽選なので仕方がないという意見もあるのでしょうが、1回戦の日程が6日目になった中京大中京の畔柳は1回戦から決勝までの日程が1週間以内に入ってしまいます。そうなると5試合全て投げようとすると全試合に「1週間で500球以内」という謎ルールが発動されます。天理の達はその対象が4試合になります。トーナメントですから負けたら終わりの為、必然的に絶対的エースを持つチームはエースの完投に託すことになります。
高校野球はプロ育成のための組織ではありませんから、高校野球以降の選手の将来を考えてやることは指導者には必要のないことなのですが、妙にアメリカナイズされた考え方が幅を利かせてしまうと本筋から反れてしまった議論が巻き起こります。メジャーは徹底的に球数を管理しようとしますが、それと現状を考えてみてください。メジャーに行った多くの日本人投手が肩やひじを壊してしまうのは何故かということです。根本的に調整方法が違うということです。選手が闇雲にメジャーへ行こうとすることに反対する人を老害と批判する向きもありますが、日本人には日本人の肩の作り方がありますよね。それは過去から伝えられてきた投げ込みです。「投げて肩を作る」日本と「肩は消耗品」と考える米国では議論は平行線を辿ります。球数を制限されることによって肩が出来上がらない状態で投げてしまうことになれば壊れるのは必定です。肩に負担をかけまいとしてフォームを崩すと肘など他の部分を壊すことになるかも知れません。調整には個人差があるということを理解して指導しないと望ましい未来は開けないでしょう。
1週間で500球以内に限定する謎ルールを発動するのであれば、1回戦から決勝までが1週間以内にならないような日程的配慮を優先すべきです。壊れるか壊れないかは本人次第。球数制限もタイブレークも実態から逃げているだけの最低な考え方です。「選手の将来」という大人の勝手な配慮にもならない押し付けが、野球本来の姿を壊していることに早く気付かないといけません。延長引き分け再試合が避けられないなら、再試合の日程を考えてやればよいのです。スケジュールをキチキチで組んでしまうからそうなるのであって、甲子園球場のみで大会を進めようとするのが無理があると考えるなら、高校サッカーのように複数の球場を使用して、準決勝と決勝だけを甲子園でやるようにすれば、日程的に不公平はなくなりますし、『聖地』甲子園の存在価値も高まるでしょう。実際にはメディアがそれを許さないので、実現されることはないのでしょうがね。
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8日目の3試合の結果です。
▽2回戦
広島新庄
010 000 010│2
003 101 00X│5
智弁学園
(広)花田・秋山−北田
(智)小畠−植垣
京都国際
000 040 000│4
011 000 003x│5
東海大菅生
(京)森下−中川
(菅)鈴木泰・松永・本田−福原
中京大中京
012 501 024│15
000 010 040│5
常総学院
(中)畔柳・松田・柴田−加藤
(常)秋本・大川・伊藤地・塙−田辺

広島新庄の2枚看板、花田と秋山の2人の継投で失点を3点以内に抑えて守り勝つ野球が理想なのですが、智弁打線はそれを許してくれませんでした。新庄打線は完投した小畠に内野ゴロの山を積み重ねて攻略できずに敗退しました。8強に中四国から1校も残れないという寂しい大会となりました。
第2試合は、2点のビハインドをはね返した東海大菅生の逆転サヨナラ勝ちでした。公式戦初登場の代打・多井の人生初のサヨナラ打で逆転したのですが、京都国際とすれば通常なら継投していた筈の試合で平野が死球の影響で登板できなかったことが悔やまれます。京都国際は今大会を通じて野球以外の話題に翻弄されることとなりました。全てはメディアの罪悪ですね。
第3試合は序盤で思わぬ大差になりましたが、畔柳は自身の投球に納得できず志願の続投で7回まで投げました。本人の意思とは言え、500/wの謎ルールが牙を剥くのが気になるところです。
昨日で8強が出揃いました。東北1校、関東・東京2校、東海1校、近畿2校、九州2校となっています。
準々決勝の試合予定です。
◇第1試合
仙台育英−天理
◇第2試合
東海大相模−福岡大大濠
◇第3試合
明豊−智弁学園
◇第4試合
東海大菅生−中京大中京
頂点を狙う試合が謎ルールに邪魔されないことを願ってやみません。
よろしくお願いします。
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