「J-SOX簡素化の骨子が具体化、基準・実施基準の改正案登場(ITproより)」
内部統制
J-SOX簡素化の骨子が具体化、基準・実施基準の改正案登場
25日開催の企業会計審議会内部統制部会に関する記事。昨日も当サイトで取り上げましたが、制度簡素化の中身(25日に新たに議論された部分)についてはあまりふれなかったので、この記事から比較的重要と思われる箇所を抜粋しました。( )内は感想です。
「「
事業規模が小規模で比較的簡素な構造を有している組織」に対して、「経営者からの相談に対しては、内部統制の有効性を保ちつつ、特に効果的かつ効率的な内部統制の構築や評価を行うとの観点から、適切な指導を行う必要があることに留意する」との文書を実施基準に加える。」
(「適切な指導」といっても、上場会社であれば、公認会計士法や協会倫理規則の非監査業務の制限が課せられます。その点のバランスは考えているのでしょうか。)
「「重要な欠陥」の金額的な重要性の判断基準について、「連結総資産、連結売上高、連結税引前利益などは、評価対象年度の実績値のみならず、それぞれの
過去の一定期間における
実績値の平均を含むことに留意する」といった文言を新規に追加する。」
(過去の実績が当期の重要性基準値として無条件で使えるわけではないと思うのですが・・・。財務諸表監査でも同じ理屈が通るのでしょうか。)
「業務処理統制の評価の簡素化として、
複数年にまたがってローテーションでの評価を促す文言も追加となった。持分法適用会社が他社の子会社での場合の評価方法の考え方を具体的に記載した。」
「中堅・中小の上場企業に対しては簡素化・明確化を打ち出した。業務処理統制の評価については、「適切な全社的な内部統制が整備及び運用されていることを前提に、一律に、通期において業務プロセスに係る内部統制については運用状況の評価が求められるものではないこと、また、組織内における各階層において必ず評価が求めら得るものではないことに留意する」といった文言を追加する。」
(財務諸表監査では、内部統制の評価は通期が原則で、会計期間の一部しかテストしてなければ、その結論を通期に引き延ばす追加手続が必要です。)
企業会計審議会第20回内部統制部会議事次第(再掲)
この中に改正案の新旧対照表が含まれています。