私が良く話題にするちょっと面白そうな話しをひとつ
Jazzは理系か文系か?
Jazz好きのアマチュアにお医者さんが多いと思いませんか?では、理系か?
一口に理系と言っても、全く違う二種類があります。物理・化学は、必ず100%の答えが出ます。そうでなければ、飛行機に乗ったり、危険薬物を扱えませんね。数学と同じです。しかし、生物・地学は違います。天気予報で80%、地震予報は無理。進化論にしても、医療にしても、科学的考えはあっても、答えは一つではありません。
Jazzをやる場合、12のキーがあってそれぞれに対して、トニック・ドミナント・サブドミ等があり常に相対的ですね。つまり、アドリブをするためには、常に頭の中で変換する作業ができる必要があると言うことです。それは、かなり理数的な作業であるます。ただ、実際の演奏には、答えがありません。結局は、歴史を含めたくさん聴いて、たくさん演奏して、感性を養う。そこを越えて初めて革新的ものがまた見えてくる。これは、一見文系的ですが。理系も実は同じで、むしろ論理学そのものは文系で、理系はほとんど感覚とも言えます。
ただ、ギターという楽器は、実はそう言う変換をしなくて、「絵」で覚えるというやり方をしている人もかなり多いでしょう。カポを使ったとき、実際の音で考える人より、カポをはめた位置を第1フレットと考える人がほとんど。頭を切り換えないで、絵を切り替えているわけです。これは、非常に文系の発想ですね。
ピアノという楽器は、キーによって形が全部違うので、絵で覚えても転調は出来ません。ので、常に変換しています。やはり、お医者さんは圧倒的にピアノが多いですね。
固定ドと移動ド、絶対音感のある人はほぼ100%固定ドです。相対音感の優れた人は、80%以上は移動ドです。絶対音感は非常に便利です。しかし、jazz自体は、やはり移動ドが向いています。固定ドの人は、ドレミと音程を常に変換する必要があります。また、絶対音感があってサックスのような移調楽器(全部のキーを押して形の上で「ド」を弾くと違う音が出る楽器)を弾く人は、もうひと変換が常に必要です。なので、絶対音感があって管楽器をやる人は99%いません。
さて、ここまで来ると、実は、音楽って、アドリブを含めて結構みんな同じ事をやっているのですが、実は頭の中は、みんなばらばらと言うことが分かります。全く違う発想で弾いているくせに、心が通じ合う瞬間がある。音楽というものは、なんと魔法的で、人間的なものでしょう。

0