邦楽界のコロッケ そのT  音楽

「邦楽界のコロッケ」とは自称であり、他称ではない。

今や「コロッケ」と言えば、食べる「コロッケ」より物マネの「コロッケ」を思い出す程である。
私の物マネは邦楽界の筝曲家や尺八奏者の物マネで、二通りある。
一つは口でメロディーを奏でて、動作で物マネをする事と、もう一方は尺八演奏そのものでマネする事である。

最初の物マネのキッカケは、野坂恵子の二十絃筝「天如」の演奏を見た時に感じた時のを「六段の調べ」に置き変えて、口譜で「テーント−ンシャン」と歌い(これがいい加減な歌い方)、奏法をマネたのである。陶酔するように。

これは23歳位の時に、京都で演奏会があり、尺八は青木鈴慕師、橋本和夫(竹咏)と私の3人が出演した時の事だ。
演奏会終了後、鈴慕先生の部屋で酒盛りに呼ばれ、そこに箏奏者も何人かおられて、そこで野坂恵子の物マネが受けたので、その後、日本三曲協会の新年会で何度か披露をしたのである。

ある時、新年会でエレベーターで遭遇した女流筝曲家の大御所の先生に「あなた又、今日物マネやるんでしょ。楽しみにしているわ」と言われた。

日本三曲協会では毎年新年会をホテルで行っている。
ある時、赤坂プリンスホテル旧館での新年会は、青木鈴慕師が幹事で、山口五郎もそうだったと思う。

あらかじめ余興の打ち合わせで、鈴慕先生に高田馬場の研究所に呼ばれた。
そこで、私は青木鈴慕と山口五郎の「鹿の遠音」を口で演奏する案を示して、実際にやってみた。私が感じた二人の演奏の違いを、ものすごく強調することにした。

比較する為に山口五郎はキレイなメロディーで、スリ手は艶っぽく、ビブラートをオーバーにかけて、青木鈴慕は力強く、強力な立ち上がりの音「ツレー」を強調し、ボリュームを上げるところは、右手でクレッシェンドの表示をした。
笑いながら見ていた鈴慕師のOKが出た。

そして、当日の「鹿の遠音」は山口五郎の前で、本人の物マネ演奏(?)したのである。
これが山口五郎本人にも受けて、すぐにビールを持って私のところに見えたので、私の方が驚いた。

鈴慕師には「あの位偉い先生でもマネされると嬉しいんだよ」と言われた。
これに気を良くして、物マネが続く事になった。




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