2016/8/26

「コンビニ人間」を読んで  随想・徒然竹

この度の芥川賞受賞は村田沙耶香の「コンビニ人間」だった。
興味を持って図書館に行き、文藝春秋の9月号で全編を3日間通って読んだ。

私が初めて仕事に着いたのは「スーパーマーケット」の会社で、当時はまだ「コンビニ」は無かった。
仕事内容は事務職だったが、日曜日や暮れの繁忙期には売り場で、陳列の手伝いをした。

その為か最近、スーパーやコンビニに行き、陳列が乱れていると無意識に直す時がある。

コンビニはスーパーの小型だから、基本の商品を売るというのは同じである。
従って文章的に内容が解るし、その文章が誠に読みやすく、働く人の人間模様描写が上手い。
実際に著者は、コンビニで働いているからバックヤードなどの様子も解るように書いている。

ネタバレしない程度に書くと、主人公はまるで本人みたいだが、実際はちがうと著者は言っている。

主人公の古倉さんはコンビニでパートとして働いている。そこではレジや接客、陳列、発注業務もテキパキとこなす、独身女性である。

たまに女子会に参加すると、「何故結婚しないのか」「社員として働かないのか」とか質問される。

様々な人間が働き、ある時白羽君なる若い男性が採用されて、そのキャラクターがユニークで彼との話がどんどん面白くなっていく。

村上龍も山田詠美も絶賛の小説だ。

話は変わるが、昨年から読んでいた夏目漱石の「吾輩は猫である」をやっと読み終えた。
猫を通して見た人間の有様だが、彼特有の風刺であるが何しろ矢鱈と漢文が出てきて、その度に「注」を見るのが面倒だった。

いつ終わるのかと心配になっていたが、猫の結末は意外だった。

8/27の東京新聞夕刊に「吾輩は猫である」の紹介があった。かなりあらすじを書いてあるが、最後には次の文章があった。
『吾輩は舌鋒鋭く人間を批判することもあれば、人間の愚かさを受け入れて温かく見守ることもある。最大の魅力は猫の冗舌な語りそのもの。いつ読んでも、何度読んでも楽しめる名作だ。』

本は余り読む方ではないが、若い時に読まなかった分を取り戻そうと、少しづつ恥をかかない程度に読み始めている。

谷崎潤一郎の「春琴抄」「痴人の愛」「刺青・秘密」を読んだが、とにかく文章が上手い。
特に好きなのは「陰翳礼讃」である。

私が行く図書館には「週刊文春」「週刊新潮」が争奪戦だ。
大概は誰かが見ているので、書棚には無い。
ある時、その書棚に無いから目の前のソファで誰かが返却するのを待ち構えていた。

すると、私の隣の中年男性の携帯電話が鳴り、その人はあわてて席を外した。
席を見ると2冊置いてある。なにげなく見ると例の2冊である。
ルールでは2冊取らないでと書いてある。

携帯の人が帰って来たのをじっと見ていた。その人は1冊を読みだし、もう1冊はお尻に隠した。
すかさず、お尻の本を見て「それを見せてください」と言ったら、仕方なく睨み付けながらも渡してくれた。

他の図書館にはその2冊は無いが、週刊誌の「SPA」がある。
これは、中にヌード写真があり、堂々と見るには憚れる。
現に女性司書が頻繁に目の前を通るのである。
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