交響曲第4番 イタリア  CD・レコード

 マンスリー企画、やっとこさ4番、オシマイです。メンデルスゾーンの「イタリア」作品番号90。イタリア旅行中に書き始められたこの曲の標題は、作曲者自身によるもの。最終楽章にイタリア舞曲のサルタレロが取り入れられています。私はこの第1楽章が聞こえると、満帆に風をはらんでグングン走る美しい船を思い浮かべます。

フェリックス・メンデルスゾーン作曲
交響曲第4番 イタリア
ジョージ・セル指揮
クリーヴランド管弦楽団

 昨年7月のバレエ公演予習のため、メンデルスゾーン作曲「夏の夜の夢」を聴こうと購入したCDに収録されていたもの。
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メンデルスゾーン : 交響曲第4番「イタリア」&劇音楽「夏の夜の夢」 他

@TOWER.JP



 私はセル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏に、どこか窮屈で素っ気ないものを感じるときがあります。でもこの「イタリア」は、瑞々しい音と晴朗な演奏にとても惹かれました。余談ですが、このコンビのスラヴ舞曲作品72、第1番ロ長調もそうでした。

 第1楽章アレグロ・ヴィヴァーチェは帆走する船の如く、クール(かっこいい!)なんだけど熱と推進力に満ちています。

 第2楽章 アンダンテ・コン・モトもきびきびと進み、シエスタなんかじゃなさそうです。涼しい葉陰に目を移し静かに語らう、ひとときの気分転換といったところでしょうか。

 第3楽章 コン・モト・モデラートは、ふくよかな弦の音色が心にしみます。豊潤な自然と稔りへの讃歌のよう。中間部の力強いホルンは、近づいてくる狩の角笛か。

 続く熱狂の第4楽章 サルタレロ、プレストは統制がきいた洒脱で快活な演奏。お行儀のいい男子校の棒倒しみたいね。ああ、セルだなあ。とっとっと行ってしまった。あとには航跡が残っているだけ。

 ところで、ブログを始めて以来、大変お世話になっている先達のサイトを拝読しているうちに、どこからか「メンデルスゾーンはセルとカラヤンを聴き比べてみるべし」という囁きが聞こえたような(どこで読んだかは失念)。そこで生真面目にも買い求めて聴いてみました。カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニーの演奏。

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メンデルスゾーン:作品集

 なんと典雅で貴族的な「イタリア」。第1楽章は絵に描いた船やな。乗っているのは高級軍人(それとも高等遊民?)です。ワイングラスが吹っ飛ばないよう、しずしずと進みます。クリーヴランド管弦楽団の演奏(自然界と人間の営みに対する讃歌のごとし)に慣れきっていたので、初めはぬるいと思ったども。

 第2楽章、第3楽章は陰影に富み、指揮者の解釈による大きな違いを聴くことができたと思います。

 カラヤン指揮の第2楽章では、ニ短調の主題があのように憂いのあるものだったことに初めて気づかされました。続く中間部を経て木管が奏でる二長調の主題は、憂愁を帯びながらも解放の兆しが。そうすると再度繰り返されるニ短調の主題が、最初とは少し違った印象であります。

 続く第3楽章は成熟した社交界のゆったりと上品なメヌエット。中間部、ホルンの悠揚迫らざるフレーズは、やんどころなき方よりお出ましのシーンのようです。

 このように、カラヤンの演奏は私にとって追随しやすく、ゆったりと味わいながら聴けるものでした。交響曲連番マンスリー、最後は2人の巨匠の演奏を聴き比べるなどという不埒なエントリーでありました。印象の箇条書きに終わってしまいましたが、カラヤンの演奏を聴くことによって第1楽章冒頭の「掴み」だけで終わっていた鑑賞が、ずっと深められたと感じています。
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2007/7/3  12:17

投稿者:sweetbrier

mozart1889さん、いらっしゃいませ。こちらこそ、よろしくお願いします。また、貴ブログ・セルの「イタリア」をTBしてくださって嬉しいです。

セル/クリーヴランド管の演奏がうまい具合に鳴ってくれないということですが、それにもかかわらず驚くほど細かいところまで聴き取っていらっしゃると思いました。私にとってこの演奏は、まず印象ありきだったのですが、mozart1889さんのブログを参考に、再度じっくり聴いてみようと思います。ありがとうございました。

2007/7/3  3:13

投稿者:mozart1889

sweetbrierさん、初めまして。お邪魔します。どうぞよろしくお願いします。

僕のセルの「イタリア」にコメントを有り難うございました。この演奏は、セルらしく素っ気ないんですが、芸の細かさも伺える名演奏と思います。惜しむらくは録音がイマイチなところで、我が家のシステムでは、どうもセル/クリーヴランド管の演奏がうまい具合に鳴ってくれません。

http://www.doblog.com/weblog/myblog/41717

2007/7/2  12:23

投稿者:sweetbrier

Niklalus Vogelさん、こんにちは。訪れてくださってありがとうございます。
「イタリア」、苦手だと知らされると「そんなこと言わないで、これ聴いてみぃ」と言いたくなるのが人情です♪が、大先達にお知らせする録音なんて思い当たりません、残念〜。

マンスリー企画、コメントはできませんでしたが、参加される方が増えて楽しかったです。Niklaus Vogelさんが復帰曲目を予告されたコメント、読みました。はようおかえりなさいませ。

2007/7/1  23:53

投稿者:Niklaus Vogel

こんばんは。
「イタリア」、とても苦手な曲です。

吉田さんのコメントに、対位法を用いてみました(爆)。

マンスリー企画お疲れ様でした。私は第8番にて終わってしまいましたが、何時の日か続きの第9番以降も記せたらばと思います。
勿論、別館もまだ半分にも到達していませんし…(汗)。
お元気で、またお邪魔致します!

http://yaplog.jp/niklausvogel/

2007/7/1  0:34

投稿者:sweetbrier

吉田さん、こんばんは。コメントありがとうございます。
私もこの曲が大好きです。いろいろな録音をお持ちなんですね。イタリアの指揮者で聴いてみたいです。覚えておこう♪

今ふと思いついたのですが、第3楽章の印象はベートーヴェンが作曲した清楚で優しいメロディーのそれと似ている気がします。具体的に曲名やメロディーは思い浮かびませんが…カラヤンの演奏は、2、3楽章がとてもいいです。

え〜と、セルとカラヤンの聴き比べの話はご記憶にありませんか? どこで読んだんだろう、私。。。

http://ivory.ap.teacup.com/sweetbrier/

2007/6/30  21:40

投稿者:吉田

こんばんは。
「イタリア」、大好きな曲です。
セルも素晴らしいし、ムーティとかシノーポリといったイタリアの指揮者の演奏のものも気に入っています。
冒頭から魅せられますが、全体的にバランスが絶妙で、ことに第3楽章のしっとり感は不思議な味わいがあります。
カラヤンも聴いてみたいですねー。

http://beethoven.blog.shinobi.jp/


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