素数たちの孤独  読書

 冬季オリンピックを、とりとめのないテレビ観戦1週間。
 ノルディック・スキーのスプリント・クラシカルは、ゴール前の競り合いが愉快。トップを争った男子ロシア人選手ふたりは、片脚を同じ角度で前に突き出し、きれいなユニゾンで同タイム ゴール 陸上競技だったら、肩や胸を突き出すとこかな。
笑って暖まったよ。

 男子フィギュア スケートのショート プログラムは、きっちり跳んで回ってなんぼなのね。なるほど、スポーツ。私は、音楽の妙味を具現したランビエールのウィリアム・テルが だったが、技術点はそれほどでもなかったとか。舞いに点をつけるのは無理な相談か。
 結局、シャリアール王みたいなライザチェックがゴールドだった。おめでとー


 パオロ・ジョルダーノ著「素数たちの孤独」読了。

 自傷、拒食、いじめ、孤独…主人公ふたりが心身の傷や生きづらさを抱えるにいたった経緯から出会い、そして・・・・を描き、イタリアの著名文学賞をいくつか受賞した作品。著者は素粒子物理学の大学院生。

 作家はうまいストーリー・テラーなのだろう。運命の岐路が随所に組込まれており、登場人物がどちらの道を選び取るのか、物語はどう展開していくのか…追いかけて追いかけて、本を閉じることができない数時間。一気に読んでしまったよ。

 なによりも、出来事、心情、因果関係が、ものすごく見通しよく書かれていることに驚く。簡潔で美しい設計図を見るようなのだわ。作家の感性を読ませるのではなく、読む者の洞察を導くために書かれた文章とでも。

 それにしても、こんなにスッキリつじつまが合ってしまっていいのだろうかと、申し訳ないくらい、きれいに終わりまで線が引いてある。それでいて、若者の緊張感、不安、渇望、恐怖、無力感、そしてささやかな安息などは伝わってくるのだから、作家のこれからが楽しみ。もっと長い人生を書いてくれるようになるのは、いつのことかしら。待てるかな、わたし。
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