♪/♪♪♪♪♪♪♪・・・ぎゃあ〜〜〜!
いきなり、なんのこっちゃ??なのだが、38年前の夜に流れた特撮ドラマ
『怪奇大作戦』のエンディングテーマである。♪(リズム)が違うのは許されたし。
♪闇を引き裂く怪しい悲鳴〜、である。♪悪魔が今夜も騒ぐのか〜?なのである。
『怪奇大作戦』は、現代社会に発生する謎の科学犯罪に挑戦するSRI(科学捜査研究所)のメンバーたちの苦闘と活躍を描いた特撮テレビドラマである。円谷プロダクションが制作し、TBS系で1968年(昭和43年)9月15日から1969年(昭和44年)3月9日まで毎週日曜日19:00 - 19:30に全26話が放送された。
この連休の1日(4月30日夜)〜4日(5月3日夜)でBS2にて深夜0時という、あまりに内容とマッチした時間帯にリバイバル放映されたのだ。4日の深夜、最後の放映日に気がついて、4本みる事がかなった。連休前に気付いていれば一挙14本を観れたのだが、いやいや1日だけでも観られたのは僥倖だった。たぶん私の連休の一番のトピックは『怪奇大作戦』!と言い切れるだろう。
小学生の低学年の頃、大変コワい思いをしつつ、欠かさず観ていた円谷プロ製作の『怪奇大作戦』。放映された時間帯は夜7時というゴールデンタイムだった。もちろん、我家ではまだ白黒テレビだった。そのわりに、憶えているのは「呪いの壷」の回のみ。そして今回再び「呪いの壷」を観る事ができた。これぞラッキーとしか言い様がない。
モノクロで観た『怪奇大作戦』をカラーかつオトナ目線で観られたのだが、いやー、驚いた。実はホントのとこ期待してなかったりしたのですよ、「昔の特撮だしなー、ちゃちいかもなー、ま、それでも、あの時代を味わうということで」納得しよう。それがもう、鮮やかに裏切られてしまって。
こ、こんなものをひと桁年齢の年端も行かぬ小学生が観ていたのか〜!?という驚き。なんちゅ〜、内容密度の濃い、カメラアングルの凝りまくった、光と影の(特に影の使い方の素晴らしさと言ったら!)コントラストの計算されたドラマやねん!! という驚愕。この独特のこだわり感のあるコワさを何に例うべきか? しっかりアダルトなのである。
たとえば胎内被爆とか、陸軍研究所跡から出土した(戦時中研究されていた)薬品?兵器とか戦争の傷跡をも描き、人生の理不尽に対する人間の怨念ありで、あの時代の醸し出す独特の雰囲気にすっかり魅了されてしまった。コワさ込みで面白すぎる!なにげなくバックに写るいろんなものをキャッチする愉しみも。万博のポスターとか、駅前の「便所」という看板とか。30分でこれだけ満足できるドラマをみる事が出来る幸福。
「呪いの壷」のぎっしり感には、エンディングテーマと一緒に「ぎゃあ〜〜」と叫びたくなった。犯人役のあまりに端正な顔立ちと、「肺病病み」という宿業?がベストマッチし、うっとり。しかもクールな京都弁なのである。ますます、うっとり。
代々続く職業も人生裏道街道の生業なので、彼ら家族が陽の目を見る事はない。でも父親のことは、尊敬も愛してもいるのだ。彼の諸々の呪詛が、最後に破裂するラストがもう・・・バックのお寺の炎上シーンも、映画のような見事さである。京都や(たぶん)奈良の家並みや景観も素晴らしい。なんというドラマを週一で見せてくれていたのだ、円谷プロは。・・・と、38年の時を経て、実に腰が抜けそうになった。
しかし、そんな風にひとりエキサイトし舞い上がっても、家族は誰ひとり付き合ってはくれない。いや、もちろん、これに付き合える人はH氏だけなのであるが、彼は『怪奇大作戦』視聴を拒否。もちろん「コワいのはイヤ」というのが理由だからであるが。ぐすん。
ということで、本日のブログを読んで下さる善男善女の皆様に、この興奮を伝えたいわけだが・・・どなたか見た方、いらっしゃいますか?

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